この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

手仕事で作られた品々を思う

私は「手仕事」という言葉が好きです。一つ一つ丹精込めて作り上げるその心意気と技術は、誰にもまねすることができないことだと思うからです。またこうして心を込めて作られたものを使うことは贅沢で素敵なことだと感じています。
先日、本屋の棚に置かれた「手仕事」についての雑誌を読みました。その書籍には真剣な顔で仕事をしている光景や完成したものと供に笑顔で写っている写真が掲載されていました。どの方もとてもいい顔をしていたことが印象に残っています。また様々なお手製の品物が特集されていたのも興味深かったです。洋服は基より自転車、バック、櫛に毛抜きなど、ハンドメイドの品物を売る店がこんなにたくさんあるのだと驚いたのでした。なかでも洋服屋を営む女性が作った青いワンピースは美しくてとてもセンスがよいものでした。着る人のためだけの洋服を一着ずつ縫ってゆく姿を想像するだけでも、とても豊かな気持ちにさせてくれます。そして既製品が溢れている世の中で暮らしていると、その商品を誰かが作成していることを忘れている自分に気付かされたのでした。
「職人」を目の前にすると、その仕事振りをじっくり眺めてしまうことがあります。特に寿司職人が寿司を握る姿は、見ているだけでも惚れ惚れするものです。先日読んだ雑誌に載っていた職人さん達が手掛けたものをいつか購入したいと願いつつ、その店に足を運んでみようと胸を膨らませています。

肉球って可愛い!

ワンコの寝顔は人間の赤ちゃんのように可愛いです。共通しているのは無防備だというところです。うちのワンコを見ていると、歳を重ねるごとに眠りが深くなったように思います。もうすぐ14歳になるんだけど、この前なんて足をちょんちょんと触ってるのに全くお構いなしで爆睡していました。でも、眠っている顔もだけど、放り出している足がこれまた愛らしいんです。ぷくぷくとした肉球がなんとも言えないんですよね。本当に思わず触りたくなりますもの。けど、その役割なんて、先日の記事を読むまでは考えたことはありませんでした。その記事には『肉球は靴の役割』って書いてあったんです。思わず「へぇ!」です。「言われてみれば、そうかも」といった感想です。単に可愛いだけじゃなかったんです。砂利道やでこぼこ道を歩くときにはクッションの役割をして保護するんです。また、熱が伝わりにくく出来ているから、夏の熱い道路や冬の雪道を歩くときには足を守り素足で歩けるのです。でも、真夏には要注意です。いくら肉球と言っても熱くなり過ぎたアスファルトを歩かせてしまうと火傷を負ってしまいます。そうですよね。私も以前、道路を触ってみてビックリしたことがありました。その時は思わず、もう少し日が落ちてからじゃないと夕方のお散歩は無理だなって思ってしまいました。
記事によると、沢山歩けば歩くほど、やっぱりプニプニしていたものが硬くなってくるらしいです。柔らかく保てるようにと、肉球用のクリームなんていうものも売っているようです。プクプクを維持できるようにうちの子にもつけてあげようかな。

カレー熱にやられてしまいました

数ヶ月前からカレーに夢中です。きっかけは書店の料理コーナーで見つけたレシピ本でした。こだわりの香辛料や調理方法を駆使したレシピが掲載されていて「こんなカレーをおうちで食べることが出来たらどんなに素敵だろう」と思いました。様々なスパイスを混ぜて煮込むことでオリジナリティ溢れる味わいを楽しむことができることは独創性と想像力に富んでいて、クリエイティブな手仕事にも繋がると感じました。しかしながらそこまでこだわりを持った逸品を作ることは無精者の私には難しいことを悟りスーパーへ出掛けたのでした。足を運んだ先は輸入食品や日本各地からこだわりの食材を取り寄せているお気に入りのお店です。そこには普段あまり目にすることのない種類のルーやレトルトが取り揃っており、選んでいるだけでもワクワクしてきます。雑穀を用いたルーや有名店舗の味を再現できるものまでどれも魅力的なものばかりです。悩んだ結果、中辛の大人な味を楽しむことができそうな商品を手にとりレジへ向かいました。帰宅後牛スジとマッシュルームを入れて煮込んでみたところ、スパイシーでまろやかでかつ濃厚な一品に仕上がりました。たくさん作ったこともありその日はご飯にかけて、翌日はカレーうどんにしてみたところどちらもいいお味で私の舌に深く刻まれたのでした。今後の目標は書店で見つけたレシピの本を買い、本格的にスパイスのブレンドから挑戦してみようかと考えています。なにわともあれ当分この熱から冷めることはできそうにありません。

サプリのような夕焼け

先日の休みの日は何も予定がなく、一日中本を読むことに決めていました。朝ごはんを食べ終わるとさっそく開始です。お昼ごはんの時だけ中断して、食べながら前夜に聞き逃したラジオをアプリで聞きました。意外とラジオが面白くって、ごはんのあとにコーヒーを淹れて、しばらく聞き入ってしまいました。でも、小説も気になります。医療ミステリーだから緊迫のシーンも多く、息を飲んだり驚いたりと、座っていても脈が速くなってしまいます。
ラジオを止めて本に戻った私は、再び、笑いとは遥か離れた世界へと入って行きました。そういう物語のときって、知らず知らずのうちに体に力が入ってしまっているものですね。夕方になってワンコがお散歩の催促をし始めるまでの数時間で、ふと顔を上げたときには全身が硬直していたように思えたんです。次々と危機迫るものがあるから無意識にそうなってしまっていたってことです。まだ、3分の1くらいは残っていたけど、本を置いて「うーん」と伸びをしました。けど、ワンコの催促が良かったかもしれないと思いました。だって、ずっと同じ姿勢を続けていたから、けっこう体には負担だったと思うんです。
ワンコと一緒に外に出た私を迎えてくれたのは、燃えるようなオレンジ色の空です。一瞬、火事かと思ってしまったほど。でも、そうやって歩いて体を動かすことは、すごく気持ちのいいものでした。夕方の何とも言えない穏やかな空気感といい、サプリをイメージするような夕焼けの色といい、一日の終わりを迎える前にピッタリだったんです。イイ一日だったなって思いながら歩きました。

愛することで必ず幸せになるとは限らない

「繊細で不器用なために大切な人を傷つけてしまうこともある。」こんな言葉が強く心に残る小説を読みました。音楽好きがこうじてネットのコミュニティで知り合った者達でバンドを組み、ライブで集客を増やし始めた矢先に仲間が脱退することになります。理由は他の女性とユニットを組むことになったからです。バンド仲間達は10代の頃から活動しており、主人公の女性と脱退を決めた男性は恋人同士でもありました。しかしながらその男性は自分がやりたい音楽をやるために突如バンドの脱退を決めるのです。主人公は不意にその話を彼氏から聞かされ許すことができずにいました。またその苦しさから彼が発表した曲を聴けずにいたのでした。聴きたくても聴くことができない苦しさとバンドを去った男性への思いが心の中を巡りながらも、その苦しみの出口となる一筋の光見つけます。それは脱退したこと、彼の繊細で真面目すぎるほどに真っすぐな音楽への思いと才能を受け入れることでした。
未来を見越して誰かを愛することは出来ないと感じています。何故ならば心を奪われたが故に、自分の力ではどうにもならないことが待ち受けているかもしれないからです。また永遠に添い遂げることが出来る愛もあれば、別れを余儀なくされることもあるのです。この小説は「愛」について考えることを与えてくれたように思います。

犬もアンチエイジング

最近、ワンコが以前よりよく寝るようになったことと耳が遠くなったことがちょっと気になっていました。昔なら仕事から帰ってきたら玄関に迎えに来ていて鳴いていたのに、この頃はほとんど玄関に姿は見せずに部屋に入ってみると爆睡しています。少ししてから、「えっ! 帰ってたの?」ってビックリ顔です。この前なんか、お散歩の催促もしないで大人しく寝てるから、「お散歩に行くよ」と声を掛けても全く反応なし。体をゆすってみても反応なし。これにはちょっと焦りました。もしかしたら、人間でいう脳梗塞かなんかでは?と思って。だって、いびきもかいていましたしね。けど、大丈夫でした。目元を触ってみたら、「ん? なーに?」みたいな顔して起きましたから。どんだけ深い眠りなのって驚きしかありませんでした。けど、老犬の生活について書かれた記事を見つけたんです。やっぱり、歳をとると耳は遠くなるし、一日中寝てるようになるみたいです。眠りも深くなるんだって。でも、老化を加速させないように、つまりアンチエイジングも大事なんだそうです。たとえお散歩にあんまり行きたがらなくても、適度な脳への刺激は必要で、外に出る事は大切なことなんだって。色んな匂いを嗅ぐことも脳への刺激になるからイイことなんだと書いてありました。私はうちのワンコがあまりにも外でクンクンと匂いを嗅ぐからお行儀が悪い気がして、あんまり好きじゃなかったんです。「もういいでしょ」って切り上げることもありました。でも、そうじゃなかったんです。それもアンチエイジングに役立つことだったんです。まぁ、うちのワンコは食欲旺盛だし、外で走ったりもするから、歳を取ったと言ってもまだまだ元気なんですけどね。でも、やっぱり、少しでも長く一緒にいられるように、アンチエイジングに気をつけてあげようって思っています。

ワンコにも手話を

子供の頃から手話というものは知ってはいたけど、習ったり使ったりしたことはありません。でも、大人になってから色んな場面で見かけることが多くなりました。テレビのニュースにも取り入れられていますし、ヒット曲の中にも歌の振りつけに使われているものもあります。もしかしたら、その歌がきっかけで興味を持った人も多いかもしれません。実は私もその一人です。そうして、意識するとそんな情報が自分に入ってきたりするんです。それが題材になった映画を観たり、小説を読んでいたら手話が登場する場面があったり。いえ、もしかしたら以前から情報は入って来ていたかもしれません、私が気づいていなかっただけで。この前も本を読んでたら、手話のことが載っていて、ふとその時に思ったんです。最近、私って自分なりに、もちろん正しいものじゃないけど、手話を使ってるって。それはうちのワンコになんです。うちのワンコはもうだいぶおばあちゃんになって来て、どうも耳が聞こえなくなったみたいなんです。声に出して指示をしても、きょとんをしてることが多いし、気配に気づかずビックリしてることもあります。だから私は、身振り手振りで指示を出すようにしたんです。この時はこの動作でと一貫性を保つように注意して。そしたら、ちゃんと理解できます。そう思ったら、手話って素晴らしいコミュニケーションツールなんだなって改めて気づいたんです。学んでみたいなって今、真剣に思っています。

人の心を癒す犬たち

私はワンコが大好きです。今も1匹のワンコが一緒に暮らしています。その子はもう人で言うとおばあちゃんくらいの年なのですがお散歩でも走るし、まだまだ元気です。うちの子は毎日、のんきに暮らしていますけど、世の中にはちゃんと働いているワンコがいます。警察で事件を解決したり、目の見えない人の介助をしたりです。そんな人の役に立っているワンコの記事を先日見かけたんだけど、その中にあまり聞いたことがないセラピー犬というものがありました。介護施設や高齢者施設、ホスピス、児童養護施設などを訪れて人間の心を癒すんだそうです。どこを触れても何をされても怒らないように、無駄吠えをしないように、他の犬とケンカをしないように訓練されているんだそうです。高齢者や寝たきりの人のリハビリのお手伝いになることもあるようです、人は犬に触ると脳内から『幸せホルモン』が分泌されるんです。それによって痛みが軽減したりもするらしいからスゴイです。そして、それはセラピー犬の方にも分泌されるから、双方がハッピーになれるんだって。
そして、その記事によると、ネコカフェのようにセラピー犬に触れ合うことができる場所があるんですって。心の病を抱えている人や障害を持ったお子さんを連れた親御さん、時にはカップルがデートで訪れることもあるんだとか。行ってみたいです。うちの子だって、もちろん私を癒してくれてるけど、自分勝手なわがままを言う時もありますもの。たまには100%全力で癒されたいなって思っちゃいます。

駅のホームで!?

時々、電車の中でパンやお菓子を食べてる人を見かけます。最近、特に増えたように思います。以前ならそんな風にして電車の中で何かを食べてるのって、中学生や高校生が多かったのに、最近ではれっきとした大人もいます。
先日の週末、駅で乗り換えの電車を待っていた時です。5分くらい時間があったから、私は、その間本を読んでいました。そしたら、突然隣に立って並んでいた女性がバッグから何かを取り出して、食べだしたんです。ん? 思わずその女性を見てしまいました。というより、見ずにはいられなかったんです。だって、駅のホームですよ。それも、みんなが並んでいるところで。むしゃむしゃという表現がこれほどぴったりすることがあるかなって思ってしまいました。彼女はもちろん学生なんかじゃありません。立派な大人です。服装を見ても、これからお仕事に行くことがわかりました。家を急いで出てきたのかもしれません。けど、1つを食べ終えたら、もうひとつ取り出したんです。もう驚きというより、隣にいながら楽しくなってきました。私は旅に出かけた時には、特急の中でのお弁当は楽しみだけど、毎日の通勤ではなかなかそんな気にはなりません。けど、それもアリかも。電車を待っている間に、本を読むかパンを食べるか……どちらも時間を有効に使っているんですものね。

席をゆずること

電車には優先座席があります。けど、朝や夕方の通勤のときにはビジネスマンが普通に占領していることが多いように思います。一応、他から埋まっていくけど、結局はそこも埋まります。もちろん、空けておかないといけないわけじゃなくて、必要とされる人に譲りましょうということなんですけどね。まぁ、本来はそこに限ったことじゃないんですよね。
でも、座ったら寝てしまっている人も多いから、なかなか気づかないこともあると思うんです。実は、先日の私もそうでした。私の場合、電車で座れたときには本を読みます。小説の続きが楽しみで仕方がないこともあります。先日、いつものように小説を読んでいたら、隣の学生服の男の子がスッと立ち上がったんです。本から顔を上げてみたら、傍に立っていた高齢の女性が「ありがとう」と言って腰かけたんです。「そういうことだったの?」と思った私は、同時に自分は全く気にしていなかったことが少し恥ずかしくなりました。
そういえば、いつも座っているときは本のページに目はくぎ付けだから、周りに立っている人のことなんか見ていないことが多いんです。もちろん、たまたま顔を上げたときに気づくかもしれませんけど、今までにそんな記憶がありません。私って、自分の事しか考えてなかったなって大反省でした。