この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

幾度となく読み返す海のある街を舞台にしたマンガ

海のある街を舞台にしたお気に入りのマンガを読み返してみました。この作品はある夏に起こった数奇な出来事を描いており、どれも不思議でどこか芸術的な香りを含んだストーリーです。私の身の上には起こったこともないような摩訶不思議な出来事が忽然と起こり、そしてゆっくりと風化してゆくような淡々とした作品です。例えば、ガラクタのようで見方によっては宝物のような漂流物が流れ着く海岸のこと、昔から言い伝えられている伝説が記された小説にあるエピソードが実際に起こってしまう出来事など、非常に奇妙なことがこの街には多々起こるのです。しかしながら、それらをあたかも当たり前のように捉えて受け入れる登場人物達の姿は非常に味わい深く、最大の魅力でもあります。私は頻繁にこのマンガを読み返しているためか、ページを開く度に懐かしさを感じると共にまるでマンガの舞台なった海辺の街の住人になったような気持ちになるのです。できることなら美しい海が広がるこの土地に住んでみたいというささやかな願望も生まれて来るのでした。
季節の移り変わりの中で、人も街も変化を遂げてゆくことを感じながら、非常に個性的な登場人物達と後味がよいさっぱりとしたストーリーに心から愛着を抱いております。それが何度もこの作品を手にする最大の理由だと感じています。

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