子どもの頃に読んだ童話で今でも記憶に残っているものがいくつかあります。その中でも『不思議の国のアリス』は紙芝居も持っていて、何度も読んでいました。だから、アリスの顔や洋服も頭の中には鮮明に残っています。もちろん、走って行ったウサギもはっきりと覚えていますし、ハートの女王や猫や帽子屋なども記憶にあります。けど、途中の色んなキャラクターは覚えているのに肝心な結末がなぜか曖昧になってしまっていたんです。そのことには気づいていましたけど、そこをあえて追及しようとか真実を確かめようとか思いもしなかったし、友人とそんな話もしたことはありませんでした。
でも先日、『不思議の国のアリス』についての記事を読んだんです。それを読み始めた時には特に結末がどうだったかなんてことさえも気にも留めていませんでした。けど、あらすじの紹介を読み進めていくと、ラストの展開が衝撃だったんです。アリスはお姉さんの声で目が覚めるって……「不思議の国って夢だったのね」って唖然です。どうやってアリスは落ちた穴から出たのかって全く記憶になかったはずです。子どもの頃はラストが夢で終わっても全然受け入れられてたんですね。他にも、童話には最後は夢だったっていうのがあったように思います。今となっては、そんなことで終わるなんて許せないかもしれません。「こらぁ、夢だったんかい!」なんて、突っ込んでしまいそうですもの。