この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

Monthly Archives: 7月 2016

You are browsing the site archives by month.

たのまれ事はためされ事

先日、ある人とお仕事の打ち合わせをしました。色々と細かい事を決めて、こちらから様々なお願いをしなければならない打ち合わせでした。かなり無理を承知でのこともありました。でも、その人は今まで大概のことは「なんとかやってみましょう」とお返事をしてくれる人です。いつも努力をして最善の方法を提示してくれます。だから、ついお願いしちゃうんです。実は、先日の打ち合わせが終わった時にその人がこう言ったんです。「たのまれ事はためされ事ですからね」って。えっ!って驚きました。その言葉を誰かから聞くなんて思っていなかったから。「本を読まれたんですか?それとも講演を聞かれたんですか?」と尋ねました。答えは「どっちも」でした。
私はこの言葉が書かれている本を読んだ事があります。この本には、誰かから物事を頼まれることは自分を試されていることだと書かれています。人は何かを頼まれたら自分の状況や利益や色んなことを考えますよね。時間がないとかお金がないとか。何かにつけて出来ない理由を考えてしまいます。そして、ついつい出来ない理由を優先してしまいます。自分が成長するためには、それではダメなんです。頼まれた時は自分を試されていて、成長できるチャンスなんです。そして、試されるのは他人からではなく、自分自身を試すことでもあるんです。
その打ち合わせの後、私は「みなさん、どうぞ私に頼んで下さい」っていう気持ちで意気揚々と仕事に取り掛かりました。

なんて自由で楽しい雨

ラジオから流れて来た曲が懐かしくて懐かしくてたまらないことがあります。先日、運転中に流れて来たのは、何年も前に流行った曲だけど、大好きな曲。ライブに行ったことも思い出すなあ。というよりも、それは忘れようにも忘れることができない、たぶん、一生覚えていると思います。最近は全然ライブになんか行ってないから、それ自体も懐かしい。その日はライブがあるスタジアムの近くのカフェで友人と待ち合わせをしていました。かなり早く着いた私はコーヒーを飲みながら持ってきた文庫本を読んで彼女を待っていました。私たちは晴れ女だというのに、その日はあいにくの空模様。ライブの間に降り出すかもしれないなぁと私は心配していました。そう思いながら、外の様子から本に目を戻して、少ししたら友人がやってきました。「もう降って来たよ」って言いながら。覚悟を決めるしかないかなってことで、傘は持参してたけど、会場に途中で雨がっぱを買いました。この日は念願のアリーナ席。私たちはバッグを座席の下に置き、雨がっぱを着ました。ライブは小雨の中始まりました。オープニングからヒット曲の連続で、一気にテンションが上がります。そのテンションと並行するように、雨の勢いがもの凄くなってきました。初めは傘を取り出したんだけど、途中からもうどうでも良くなって濡れ放題でした。変なもので、もういいやって思ったら、濡れることなんて全く平気になりました。返って気持ちイイくらい。雨がっぱを着てると言っても髪も靴もびしょびしょでした。けど、なんて自由で楽しいんだろうってワクワク気分でいっぱいでした。雨に負けない熱気の中、ライブは終了。私たちは帰り道、駅に着いたところで水を含んで重たくなった靴を絞りました。初めて雨が楽しいと思った日でした。忘れられない思い出です。でも、実はもう一つ忘れられないことがあるんです。友人を待っていた時に私が読んでいた本です。それはもうヨレヨレになっていました。だから、その本も一生忘れられない本になってしまいました。