この世の果てまで、小説を持って。 私の心をどんな色にも染めてくれる小説。どんな世界でも見せてくれます。

Monthly Archives: 8月 2015

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突然の訪問販売

午前中に家事を終え、午後になって思う存分自室で小説を読んでいた日のことです。その日、家の中には私と母しかいませんでした。母は居間でテレビを観ているはずでした。そこにピンポーン、とインターフォンが鳴り、彼女が応対に出たようでした。
しばらくして聞こえてきたのは、彼女の怒鳴り声でした。一体何事かと思って出ていくと、どうやら訪問販売のセールスマンに捕まってしまっていたようでした。こちらとしては口頭でちゃんと断っているのに、食い下がって根負けを狙うタイプのようでした。
正直効率が悪そうなやり方だな、と傍から見ている分には思うのですが、私が初めに応対していたら、やはり母のように泥試合になっていたのではないかと思います。むしろ彼女のようにチャキチャキと気強く対応出来ない分、ふんふんと話を聞いてしまっていたかも……。
私という別の人間が来たことで勇気づけられたらしい彼は、口早にどういう用向きで来たかを伝えてきました。怪しさ抜群どころか大爆発でした。というのは、数日前に回覧板で注意喚起されていた詐欺の手口と全く一緒だったからです。スマホを片手にしながらの「警察を呼びますよ」の一点張りで何とか追い返すことが出来ましたが、正直恐ろしかったです。
世の中のセールスマンがああいう人ばかりではないことは重々承知していますが、なかなかに消耗した出来事でした。

こたつ布団を片づけている最中に

数年前の春のことです。そろそろあたたかくなってきたので、居間のこたつを片づけることにしました。敷き布団をめくってみると、前回の掃除から少し間が空いていたこともあってか、ホコリが溜まっていました。とりあえず敷き布団を剥がした瞬間、奥からぴょっと飛び出してきたもの……それは黒っぽくてつやつやして平べったい、しゃかしゃか素早いアイツ。年甲斐もなく悲鳴を上げました。
あたたかくなると出てくるものだとはいえ、色々策を講じていたはずだったのですが、効き目が薄れてきていたようです。私が驚いている間にソヤツはどこかに行ってしまったので、急いでこたつ布団を片づけました。1度姿を見ると、いったい次はどこから出現するのかとビクビクしてしまって、ちっとも落ち着かない掃除でした。
おおかた終わったので、次は家中の駆除剤を新しいものに取りかえました。それでも何だか気持ちが悪かったので、除菌剤入りの不織布で家中の床という床を拭きました。
その後、その年はほとんどその姿を見ないままとなったのですが、こたつに軽いトラウマが残りました。だらだら寝転がって小説を読もうとして、こたつに足を突っこむ瞬間などが怖いです。あんなひどいビックリはもう2度と御免です……。